ゲームに必携のアートブック
もしゲーム『The Evil Within』のファンならば、喜んでほしい。これはゲームに必携のアートブックである。
このゲームのディレクターは、『バイオハザード』シリーズの三上真司である。この本は『バイオハザード』のスピンオフであるとも言える。
224ページのハードカバーで、とても分厚い。それは紙が厚いからで、良いグロス系の軽量コート紙が使われている。
コンセプトアートはすばらしい。普通の、感染していない人間のフォルムは特に怖くはないが、その3Dレンダリング技術には非常に感心させられた。3Dであるのにとてもよく出来ている。感染している人間のフォルムはさらに興味深い。
この本のハイライトは、もちろん人間とクリーチャーのグロテスクなデザインである。血痕、損傷した皮膚、火傷、変異、剥き出しの肉、そして更なる血痕がふんだんに見られる。たとえば切られた腹部からはみ出している腸の描写が、むしろ物足りなく思える、それがこのゲームである。流血という要素においては、『バイオハザード』に近い。いつか三上真司が『Resident Evil』と『バイオハザード』のクロスオーバー作品を作ったらどんな感じになるだろう、と思いを巡らしてみる。
クリーチャーと敵キャラのデザインがすばらしい。怖い敵キャラをデザインすることについては、アイデアは尽きることはない。全部がすばらしい。ここですばらしい、ということは、気持ち悪い、ということである。2Dと3Dアートの混じり方もちょうどよい。PS4のおかげかどうかは分からないが、最近のゲームの3Dレンダリング技術はどんどんよくなっている。アートワークのディテールの量は半端ない。
モノトーンの3Dレンダリングから成る皮膚、血管、肉のテクスチャーも、驚くほどすごい。この本がモノトーンのレンダーだけでもよかったと思えるほどだ。カラーであろうとなかろうと、よいデザインはよいのだ。
最後の章は、美しくムードのある環境美術がたくさん収録されている。本文中の他のアートと同じように、ディテールが緻密に描かれていてすばらしい。
僕はこの本について欠点を挙げることができない。強いて言うなら、もっと解説が入っていてもよかったが、そのくらいである。
すばらしいアートブックである。お薦め。
ハードカバー: 224ページ
出版社: Dark Horse Books (2014)
言語: 英語
ISBN-10: 161655570X
ISBN-13: 978-1616555702
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