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またもやすばらしい必携アートブック

これは映画『ホビット』シリーズの、5冊目の本である。

いつも通り、本のクオリティはすばらしい。ハードカバーの装丁は美しく、光沢のある装飾とエンボスが施されている。アートワークはすてきに印刷され、きちんとレイアウトされている。いくつかのウェブサイトでは240ページとなっているが、256ページである。

この本は、これまでの映画の舞台裏を描いた既刊本と同様のコンセプトである。その既刊本とは、以下である。

知らない人のために補足すると、映画『ホビット』シリーズは、1作品につき2冊の本が出版されている。1冊がこの本のようにコンセプトアートを網羅し、もう1冊が小道具やセットなどの物理的側面をカバーするのが常である。

というわけで、この本はコンセンプトアートをふんだんに収録している。ジョン・ホー（John Hawe）とアラン・リー（Alan Lee）による様々な場所やセットの細密なスケッチ、他のアーティストによるキャラクター、クリーチャー、コスチューム、武器、鎧、環境美術、小道具の更に進化したアート、そしてその他場面や効果などのアートも見られる。アートはすばらしく、僕は特にアクションが見られる戦闘シーンが好きだが、残念なことにほとんどがデザインについてのアートワークで、戦闘シーンはあまり収録されていない。

下記が章立てである。

1. 火と水－スマウグと燃えるレイクタウン（Fire & Water - Smaug and the burning of Lake-Town）
2. 深い地の底─ドル・グルドゥアの死人の要塞とネクロマンサーの穴（Dungeons Deep - Haunted fortress of Dol Guldur, Lair of the Necromance）
3. 古き洞穴─エレボア、ドワーフたちの王国（Caverns Old - Erebor, Kingdom of the Dwarves）
4. デール─その守りと破滅（Dale - Defence and Ruin of Dale
5. 足の速いエルフたち─エルフのキャラクターデザイン（Fleet-footed Elves -Character design for the elves）
6. 光る網をまとったグリムのドワーフ─エレボアのドワーフたちとくろがね山（Grim Dwarves in Shining Maille - Dwarves of Erebor and The Iron Hills）
7. 汚れたものたち─オーク（Foul Things – Orcs）
8. からすが丘にて─ドワーフ都市の廃墟での戦い（Taking Ravenhill - Battle amid the Dwarven Ruins）
9. 冒険と帰還─ホビットの帰還（There & Back Again - A Hobbit Goes Home）
10. アートコレクション─関連グッズ（Collectible Art – Merchandise）

テキストは詳しく、デザインや、折に触れて物語についても書かれている。それによって、映画の中でなぜ物事がそのように見えるかという理由を知ることができ、見方に広がりが出る。映画のために作られたアートを見られること自体がすばらしい。この本には1800作品以上のアートが収録されている。

この本は２つの出版社から発売されていて、ひとつはHarperCollins、もうひとつはHarper Designである。どの国で買うかによって値段が違い、アメリカの人はHarper Design版を、ヨーロッパとその他の国の人はHarperCollins版を買うのが比較的安価だ。

映画のファンにはもちろん、アートブックのコレクターや映画製作について読むのが好きな人にもお薦めである。

ハードカバー: 240ページ
出版社: Harper Design / HarperCollins (2014)
言語: 英語

The Hobbit: The Battle of the Five Armies Chronicles: Art & Design - 02