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トッド・マクファーレン（Todd McFarlane）のコメント付き、秀逸なアートワーク集

『The Art of Todd McFarlane』は、偉大なコミック作家の自伝的ビジュアル本である。必読の一冊と言っていいだろう。

インスピレーションに溢れた本である。彼が学生時代にいかに作画に心血を注いでいたかからはじまり、どのように初めての仕事を獲たか、その後どのような経緯でイメージ・コミック（Image Comics）やマクファーレントイズ（McFarlane Toys）のような会社を立ち上げたかを知ることができる。更に、彼が本業以外で関わったミュージックビデオの製作、アニメや映画、ゲームなどの原案他のプロジェクトについても収録されている。

彼はあらゆるコミック編集者に700通もの売り込みをし、数百通に及ぶ企画見送りの手紙を受け取っているが、そのどんな批評をも自分を向上させるために吸収している。そもそも、自分が送った売り込みの回数を正確に数えていること自体が驚異である。それが彼の仕事の精度と質の高さの表れでもある。彼の現在は、飽くなき努力と才能の積み重ねの上に成り立っているのである。

収録されているアートワークはすばらしい。印刷は大判で、再現のクオリティも高い。鉛筆、インク、カラーそれぞれで描かれた、彼の初期の作品も見ることができる。作品に添えられたコメントからはそれぞれの作品の背景を詳しく知ることができ、彼のキャリアが形成されていく様を垣間見ることができる。彼はマーベル（Marvel）とDCコミック（DC Comics）のために働いていたこともあるので、それらの作品と、もちろんスポーン関連の作品もたくさん収録されている。この本を読めば、コミック製作の舞台裏をふんだんに知ることができるだろう。

この本はハードカバーとペーパーバックの両方で出版されている。僕としては400ページの厚みのあるハードカバー版をおすすめするが、ペーパーバック版をまだ見ていないので造本を確認しなくてはならない。ペーパーバックの方が価格がお手頃であることは間違いないが。

おおいにおススメする一冊である。

The Art of Todd McFarlane: The Devil's in the Details