レビュー: The Art of Pixar

極めて美しく感動的だ!

『The Art of Pixar』は小さなスタジオから今や世界中で愛されるようになったアニメーション・スタジオの物語を語る素敵な本だ。

巻頭を飾るのはラルフ・エグルストン(Ralph Egglestoncによるトイストーリーのための色彩設計だ。描かれたのは1993年で、これがスティーブ・ジョブズ(Steve Jobs)とスタジオのクルー達を魅了した。何年も経った今でも、映画制作の伝統的なやりかたを踏襲しストーリーをよりより良く観客に伝える為に日々努力が続けられている事は本当に素晴らしい事だ。

320ページの素敵な画集に最新の『カーズ2』までの作品の色々なイメージ・ボード が収録されている。私が間違っていなければこの本で初めて公に登場する短編アニメ映画のコマもある。後半の100ページには過去25年からの選ばれた作品が全面に印刷されている。

イメージ・ボード を創ったアーティストの多様なスタイルを楽しめて本当に良かった。エグルストン氏とドミニク・R・ルイス氏(Dominique R. Louis)のパステル・カラーの作品が好きだ。ルー・ロマーノ氏(Lou Romano)が描いた『Mr.インクレディブル』の為のベクター・イメージはパステル版とは異なった斬新な手法をを見ることができる。ページをめくっていくと、手法が徐々にデジタルへと移行していく。『カーズ2』の為にシャロン・キャラハン氏(Sharon Calahan)が描いたイメージ・ボード はとても細かく、実際のアニメ映画からのコマではないかと疑うほどだ。

この本は今までのイメージ・ボードの全てが収録されていると唱っているがそれは少し語弊がある。クロニクル・ブックスが出版する他のピクサー画集も持っているので比べたところ、別の本に収録されていたイメージ・ボード の中から今回の本には収録されていないものも発見することができた。例えば『ファインディング・ニモ』の画集に収録されていた幾つかの作品は収録されていなかった。その埋め合わせのために多くの新しイメージ・ボードを取り上げている。特に『カーズ』と『カーズ2』や『レミーのおいしいレストラン』の画集『The Art of Ratatouille』に載せられなかった作品が多数収録されている。

収録されている作品の多くは別の画集などにも収録されているものも多い。今回だけの新しい作品もあるとは思うが詳しく比較していないので分からない。ただ重複があってもこの本はイメージ・ボードがきれいに纏まっておりやはり価値があると言えるだろう。

『The Art of Pixar』はアート、アニメーションとピクサーの優秀なアーティスト達を讚える本だ。ベテランアニメーションライターのアミッド・アミジ(Amid Amidi)により執筆されたこの感動的な本は本当におすすめです。

ハードカバー: 320 ページ
出版社: Chronicle Books
言語: 英語
ISBN-10: 0811879631
ISBN-13: 978-0811879637

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