レビュー: Star Wars Art: Concept

まとまりの欠けた素晴らしいスター・ワォーズアート

『Star Wars Art: Concept』はHarry N. Abrams出版の特大のハードカバーアートブック、スター・ワォーズシリーズの続きだ。これの前の本は『Star Wars Art: Illustration』『Star Wars Art: Comics』と『Star Wars Art: Visions』だ。

私はこの本を買う前はこれがどんな本なのか全く予想がつかなかった。コンセプトアートの本なのだが、映画六本分、すべてに専用のアートブックがもう出ているのだ。

結果、これはラルフ・マクウォーリー（Ralph McQuarrie）作などのペイントされたコンセプトアート、アウトラインとマーカーで描かれたコミックスタイルのアート、ダグ・チャン（Doug Chiang）作のテクスチャーされたグレースケールシーンやデジタルペインティングを特集している本だ。本の真ん中ぐらいでアートの作り方が伝統的からデジタルに切り替えられるのがよくわかる。デジタルペインティングもとても良いのだが、個人的には伝統的な方法で描かれた絵のほうが好きだ。

絵は美しく、作品ごとに異なるが、ほとんどはとても良い。もっとラフなのはデジタルのコンセプトアートだ。

ポートレートとキャラクターデザイン、ロケーションとカッコいいシーンなどが見られる。私のお気に入りはすべてのロケーションと背景アート。とても美しく細かいのだ。絵の中にストーム・トルーパーとAT-ATウォーカーをを見るまでは軍隊FPSビデオゲームからの絵だと思ってしまったのが二つあったほどだ。

作品は６つの映画、アニメ化されたテレビシリーズ、ビデオゲーム（公表されているのとされていないもの）。もうたくさんのスター・ウォーズが出ているので、それぞれから見せられるものは限られている。映画のアートの方をもっと見たいと思うだろうが、様々なミックスになっている。アートは全部良いのだが、アートのセレクションか整理の仕方がいい加減な感じがする。

アマゾンのカスタマーリビューではラルフ・マクウォーリーの絵をもっと期待していた人が何人かいたが、一握りほどしかない。まあ、ラルフ・マクウォーリーのアート本ではないのだから。

この本のハイライトは大きいフォーマットだ。大きくプリントされた絵にはもっとインパクトがあって、見てるだけですごく良い。大きいペインティングを見ると、伝統的な方法の方がデジタルより、細かい部分から細かくない部分の絵にフェードするのが上手だと思う。だから私は伝統的な描き方の方を好むのだと思う。

本文にはジョー・ジョンソン（Joe Johnston）とライアン・チャーチ（Ryan Church）からの前書き、ダグ・チャンの序説、とエリック・ティーメンズ（Erik Tiemens）のインタビューがある。絵は作品の名前、使われたもと、と使われた材料／デジタルかが説明文に描かれている。絵についてのコンセプトについては書かれていないのが残念だ。

全体的には良いアートブックでアートは素晴らしいのだが、コンセプトアートとその概念について読みたいのなら『Art of Star Wars』シリーズをお勧めする。この本で見られる作品はそのシリーズの本にも入っている。

ハードカバー: 176ページ
出版社: Harry N. Abrams (2013)
言語: 英語
ISBN-10: 1419708627
ISBN-13: 978-1419708626