美しく、暗く、ムーディー

この本は、ゲーム『キャッスルヴァニア　ロード　オブ　シャドウ　宿命の魔鏡』のファンのためのコンセプトアートブックである。

192ページのハードカバーで、『キャッスルヴァニア　ロード　オブ　シャドウ』の１と２、そして続編である『Mirror of Fate』の、３つのゲームタイトルのアートワークが収録されている。

収録されているアートワークは美しく、暗く、ムーディーである。1986年からはじまった『キャッスルヴァニア』シリーズを総括するにふさわしい本である。

本文中では、主にキャラクターデザインと環境設定がフィーチャーされている。デザインとともに、フルページ画がたくさん収録されている。ガブリエル・ベルモンドをはじめ、ドラキュラ、ベルモンド一族はもちろん、サタンやタイタンなどの敵キャラクターも見られる。

最後の方で、ゲームの雰囲気をとてもよく捉えた背景美術を見ることができる。影が現れ光が淀む外観は悪い予感の象徴であり、城の内観はとても優美で繊細である。鬱屈とした闇にも関わらず、高くそびえた天井が荘厳で気高ささえ感じさせる。『Mirror of Fate』の２Ｄクロスセクションマップもフルで収録されているのが嬉しい。

制作会社であるマーキュリースティーム（MercurySteam）社の、デザインのコンセプトや開発プロセスについての詳述も載っている。『メタルギア』シリーズの小島秀夫がどのようにして制作に関わるようになったかも明らかにされている。

総合的に見て、すばらしいゲーム・アートブックである。ゲームとアートのファンにおススメの一冊だ。

ハードカバー: 192ページ
出版社: Titan Books (2014)
言語: 英語, 英語, 英語
ISBN-10: 1781168954
ISBN-13: 978-1781168950

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