レビュー: The Art of Assassin's Creed IV: Black Flag

素晴らしいアートブック

もしかしたらこれは今まででいちばんの『アサシンクリード』アートブックかもしれない。素晴らしいビデオゲームのためのアートブックだ。

この本はTitan Books出版の大きな１９２ページのハードカバーで、ほとんどの作品はページの端まで大きくプリントされている。

たくさんのコンセプトアートは実はアートと写真のコラージュだ。よく見ると写真が必要な構図と形に消され、デジタル加工されている。

写真とアートのコラージュの方法はいんちきだと思うかもしれない。しかし、最終的にはすばらしい出来なのだ。コンセプトペインティングとしては雰囲気をとても良く出している。このような説得力のあるリアルな環境が描けるのは、色が正確にとらえられているからだ。この写真とアートのコラージュスタイルは少しでもうまく出来ないと偽っぽくなってしまう。私的には、この本の中の絵はすべてすてきだと思う。最終結果は写真というよりアートに見える。

この前のアートブック、『The Art of Assassin's Creed III』から改善されたことはディテールがもう影に隠れていないことだ。もし隠れていても、とても微妙に隠れていて、見事にディテールがフェードされている。

キャラクターデザインはほとんど海賊たち、それともちろん主人公のエドワード・ケンウェイだ。コスチュームデザインはものすごく細かい。１８世紀の海賊たちがこれほどファッショナブルになれるとはだれが思っただろうか。アーティストパトリック・ランバート（Patrick Lambert）のラフな絵は表現的で最高だ。

環境アートは多く、たくさんの作品はロケーション訪問から影響されている。

デザインチームはスパニッシュ・タウンのハバナをゲームの中で作るために、実際に美しいハバナの町を訪問した。この海沿いの町はかつてスペインのコロニストから『新世界への鍵』と言われた、生き生きとして、人とアクティビティが多い町だ。美しいタウンハウスだけではなく、ぼろぼろ屋根の貧しいミドルクラスの家もある。他の場所はジャマイカの町、キングストン、または海賊たちの別名『世界一邪悪な町』。他にはバハマの町ナッソーがある。ナッソーにはQueen's Staircaseから直接影響を受けたコンセプトアートもある。

他のロケには強化された難破船、柱の上に作られた漁村、熱帯地方の隠れ家、マヤ族の神殿、マングローブや入り江、ジャングル、夜のキャンプファイアーシーンなどがある。それぞれのロケにはその場所の感じを伝えるためにいくつかの絵がついている。ゲームからカットされてしまったが、町全体デザインされたPort au Princeもある。ゲームでは見られなかったが、少なくとも絵は本の中に残っている。

海賊船のデザインはインテリアも含めてとても細かい。船はいくつかあり、中にはJackdaw, Blackbeard's Queen Anne's Revenge, Black Bart's The Royal Fortune, Benjamin Hornigold's The Benjamin, The Governor, The Ranger, Calico Jack, Spanish Man of War と他のイギリス海軍の船などがある。船は本当に多い。海賊がデッキで働いている絵や、燃えているか爆発している大きな船や小さな船の絵も多い。

沈んだ難破船や、『お前を食いたい』と言うような目つきのサメのいる海中シーンもある。

ユービーアイソフトのアートチームは本当に素晴らしいアートをまとめ、作者のポール・デイヴィス（Paul Davies）にうまく編集されている。

このゲームのファンとコンセプトアートの好きな人にはとてもお勧めする。

ハードカバー: 192ページ
出版社: Titan Books (2013)
言語: 英語
ISBN-10: 1781169039
ISBN-13: 978-1781169032

The Art of Assassin's Creed IV: Black Flag